3歳の娘をもつタムきち(@tamukichi_net)です。
実は娘は3歳になった今でもまだ話すことができず、娘から「ママ」と言われたことがありません。
生後3ヶ月ごろから発達が遅れていると指摘されており、2歳を過ぎたころに「広汎性発達障害」と診断されました。
「広汎性発達障害」ってなに?というのをまとめていこうと思います。
もくじ
広汎性発達障害(=自閉症スペクトラム)とは
私たちママ世代がまだ子どもだったころは別の名称で呼ばれていました。
自閉症、アスペルガー症候群などと呼ばれていたものです。
自閉症とは簡単にいうと
- ことばの遅れ
- 対人関係の困難さ
- 特定のものへのこだわり
の3つの特徴があるといわれています。
更に自閉症を含む自閉性障害にはさまざまなタイプがあります。
- 知的障害を伴う自閉症(IQ70未満)
- 高機能自閉症
知的な遅れが目立たない自閉症(IQ70以上) - アスペルガー症候群
自閉症と似た特性を示しながら、ことばの獲得に遅れはない特徴がある
これだけの分類分けがされていますが、
「どこまでが自閉症で、どの程度のIQなら高機能自閉症になるのか」
「自閉症と診断されたと一概にいっても、日常生活にはほとんど支障をきたさない子がいる一方でことばの遅れや対人的コミュニケーションがうまくいかない子がいる」
など境界線が不明瞭です。
子どもを診断名にもとづいて分類するのではなく、自閉性障害をまとめて境界線をなくして考えるという考えが現在広まっています。
そうした自閉性障害をまとめたものを「広汎性発達障害(=自閉症スペクトラム)」と呼んでいます。
境界線をなくすことで、子ども一人一人あにあった支援を行うことができると考えられています。
行動特性
広汎性発達障害の子には特有の行動特性がいくつかみられます。
ただし、個人差があるため同じように行動特性がみられるわけではありません。
①ことばの遅れ
2〜3歳になってもことばを発しないため、明らかに発達が遅れていると気づきます。
また、ことばを話さないだけではなくて身振り手振りも自分からは行いません。
娘もまだ発語がなく、自分から身振り手振りは行いません。
同世代の子と比べると、明らかに母子間でもコミュニケーションがとれません。
②目が合わない
一般的には生後2〜3ヶ月には親が子どもを見つめたとき、視線を合わせて親の顔をみつめるそうです。
しかし視線を合わせようとしてくれません。
娘も3ヶ月健診や予防接種でクリニックに受診した際に指摘されました。
それからしばらく目が合わない状態が続いていましたが、2歳を過ぎてからようやく目が合うようになってきて泣きそうになったことを覚えています。
③特定のものへの執着
道順やものの場所、作業の手順や場所などさまざまなこだわりがあります。
毎日の生活もパターン化されていると安心するようです。
娘も保育園でお部屋に入る前にここを通って、あれを触って、お部屋に着いたらカゴの中にお気に入りのおもちゃを入れて遊ぶというのが日課となっています。
④感覚過敏・感覚鈍麻
音、光、温度、触覚の感じ方が独特です。
脳が独特の働きをしているからだと考えられています。
- きらいな音が聞こえると耳をふさぎ大声をあげる
- 小雨がからだに当たっただけで痛がる
- 頭をなでられる、肩に手を置かれただけで激痛が走ると感じる
- 真夏に衣服を何枚も着込んでも寒いと感じる
- ケガをしているのも関わらず痛みを感じない
娘も、ケガがあってもなんでもない顔をして平気そうにしていたりします。
すぐにケガに気づいてあげられないので困りますよね。
⑤指差ししない→クレーン現象
例えば子どもが何かを親に取って欲しいと考えたとき、欲しいものの方を指差しします。しかし広汎性発達障害の子は指差しすることはありません。
指差しの代わりに、親の手を目的のものがある所まで引っ張っていきます。
これを「クレーン現象」と呼びます。
娘にも指差しされたことはありません。その代わりに毎日手を引っ張られて要求されていますよ。
⑥繰り返し行動
④の感覚過敏・感覚鈍麻でも書きましたが、脳の働きが異なっています。独特の感じ方によって得られる刺激が好ましいもののため、同じ刺激を受け続けようとした結果一定の行動を繰り返して行うことがあります。(=常同行動)
よくみられる常同行動として
- 手をひらひらさせる
- 手をぱちぱちたたく
- つま先立ちで歩く
- 上半身を前後に揺する
- ぴょんぴょん飛び跳ねる
- 腕を広げてくるくる回る
があります。
子どもが常同行動を行う場面として、多くの場合は緊張や不安だったり、不快な思いをさせられたりした際に気持ちを安定させるために行うといわれています。
娘もよく手をひらひらさせたり、くるくる回ったりしています。
まだみられませんが、そのうちぴょんぴょん飛び跳ねたりするのでしょうか……。
⑦細部にこだわる
ものごとの全体を見ることが苦手で、一部分の細部にこだわる傾向があります。
娘は、例えば「ものを乗せることができるバスのおもちゃ」で遊ぶ際に「ものを入れるカゴ」のようなものと捉えているようであり、ものは入れるもののバスを走らせようとはしません。
バスにものを入れて、それをひたすら振ったり、ものを出したりまた入れたりを繰り返しています。
⑧流水や回転するものが好き
流れる水や、木漏れ日のようなチラチラした光、扇風機の羽根やタイヤなどの回転するものを好む傾向で、見続けていることがあります。
⑨呼んでも振り向かない
名前を呼ばれたり、声を掛けられても振り向かないのが特徴です。
音の聞こえ方が異なっているため、呼ばれていることに気づかないとされています。
多くの情報にさらされたときに、自分にとって必要な情報を取り上げることが苦手です。そのため、たくさんの音が聞こえている状態で自分の名前を呼ばれても、それに注意を向けることができないのです。
娘もテレビを見ているときに声を掛けても、全く聞こえていないようです。
そのため娘の横から顔を覗きこんでお話するようにしています。
⑩迷子になりやすい
関心の向くものを見つけると、躊躇なく向かっていってしまうために迷子になりやすいです。
たとえ親とはぐれてしまっても、泣いたり不安がったりせず平気でいられることから周囲の人も迷子だと気づかないケースがあります。
11パニックになりやすい
何か原因があったために自分の感情をコントロールすることができなくなって、大声をあげたり、ものを投げたり、腕を噛んだり、頭を床や壁にうちつける行為(=パニック)を起こすことがあります。
感覚過敏があるために不快な音や痛みを感じパニックになったり、強いこだわりがあるために集中していたことを妨げられたり、方法を変えさせられようとしたときにパニックになることがあります。
行動特性を理解して、パニックを起こさないようにする配慮が必要です。
おわりに
まずは広汎性発達障害の概要と、11の行動特性をまとめてみましたがお役に立てたかな。広汎性発達障害の子をもつ親として、これらのことを知っているのと知っていないのとでは子どもにとって大きな差となると思います。
親にとって、子どもがなぜこのような行動を行うのかという理由はそのような行動特性があるからなんだということをまずは理解して、優しく接してほしいと思います。
できれば私たち親だけでなく、おじいちゃん・おばあちゃんにも知ってもらえたらなおいいんじゃないかなって思います。